当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはトリオマネジメント株式会社が提供する「ジャンボランドリーふわふわ」のコインランドリー・フランチャイズビジネスです。
サイトを見ると上記の通り「勝ち続けるコインランドリー経営を目指します!」となかなか威勢がいいですし、それ以外にも
・本業をおろそかにせずに稼げる副業
・コインランドリー経営が不況に強いワケ
・FC経営で確かな利益を得ていただきたい
・初期費用のみで手間もかからず定期収入が得られます
と、ワクワクさせる文言が並びます。ではそのコインランドリービジネスの実態はどうなのでしょうか?「オーナー様の声」を見てみるとこういったコメントが掲載されていました。
・年間1,800万円も売上があるので、アパート経営よりもずっといいなと思います。
加えて今、ちょうど売り物が出ているようでその経営指標はこのようになっています。
売上が1,050万円で賃料が月26万4千円=年317万円ということですから、粗利は700万円以上期待できそうです。
とは言いつつ大幅に黒字であれば売却するはずもなく、
・電気代/ガス代/水道代
・設備維持費
・人件費
・FC費用
でそこまで美味しくないということなのでしょうね。
また、このサービスを提供しているトリオマネジメント株式会社が財務情報を公開していれば参考になるわけですが、それも公開されていませんので、結局のところコインランドリービジネスが儲かりそうなのかそうでないのか全く分かりません。
と言うわけでこういう場合はコインランドリービジネスをやっている上場企業の決算書を見てみましょう。上場企業であれば全て開示されています。便利な世の中になったものです。
コインランドリー専業としては唯一の上場企業であるWASHハウス株式会社の売上高と利益はこのように推移しています。
売上高は順調に低下し、経常利益はついに赤字ですね・・・。
こちらは2020年12月期の決算となりますので、最新の決算をチェックしてみると、終了したばかりの2021年12月期決算はこのように修正されておりました。
鬼のような下方修正で、売上高は前年比でさらに減少し、赤字額も連結で前年の−1億28百万円から−1億59百万円に拡大するということですね・・・株主は怒って良いと思います。
それはともかくとしてここから浮かび上がってくるのはコインランドリービジネスの経営の難しさですね!
ではなぜこのように苦戦しているかと言うと、同社の経営計画に出ていたこのスライドが参考になるかもしれません。
人口が増えていないどころか減り始めている日本で、コインランドリーが年5%も増えればあっという間に市場が飽和しますよね・・・。
ちなみに同社の経営はコロナ前から赤字になっていますので、コロナの影響は直接的には関係なさそうです。
そうしたわけで記者はコインランドリービジネスをやってみたいとは1mmも思いませんが、もしご興味がある方はこのWASHハウス株式会社の経営の推移と、本題である「ジャンボランドリーふわふわ」のフランチャイズを提供しているトリオマネジメント株式会社の財務状況を見ながら慎重にご判断ください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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