当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはBMキャピタルですね。読者の方から以下のようなメールをいただきました。
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BMキャピタルについて(相談ではないです)
最近、数多くこのファンド?の勧誘を目にします。
アクティビストなので(保有比率10%を超えて意見を言える)合同会社スキームで行っているとのことです。(そんなルールある?)
ただ、それなら、この会社が大量保有報告書を出していると思い探してみてもどこにも見つかりません。
また、
https://center-for-the-arts.org/bmcapital-ponzi/
このサイトで、「大株主リストに実態があります」と萬世電機と三京化成の大株主リストのスクショがあるものの、過去の該当会社の大株主リストを別に探して見ると、大株主リストにBMキャピタルの名前がありません。
つまり【実態があります】としてる掲載画像が捏造されたものでした!え?、と、さらに調べて貴サイトを見つけました。そして「詐欺として活動する合同会社がある」と知りました。
このBMキャピタル、あきらかに投資詐欺だと思います。もし、機会があれば再度の「鉄槌記事」を!
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「明らかに投資詐欺だと思います。」と強い確信を持っておられるようですが、仮に「捏造画像」があるのであれば確かにそう思うのも当然かもしれませんね。
ちなみに当サイトでも過去に以下のように取り上げています。
>>>BMキャピタルへの投資はやめておくべきですか?
3年近く経っているので、復習を兼ねて引用すると以下のような点を指摘したのでした。
まず、「社員権の購入」の形で合同会社に投資するのは絶対やめた方がいいです。これは当サイトが言っていることではなく、国民生活センターが注意喚起していることです。
以下抜粋です。
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合同会社の社員権の自己募集では、第二種金融商品取引業の登録の必要がなく、消費者保護ルールも十分ではない。
さらに、会社法では合同会社への出資の払戻しには制限があるため、トラブルになった際、消費者にリスクが生じると思われる。
実質的には集団投資スキーム持分の自己募集であるにも関わらず、合同会社の社員権の自己募集というかたちで規制を逃れようとする事業者には注意が必要である。
>>>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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どんな理由であれ結果的に「規制逃れ」をしている会社に投資してはいけません。普通の会社であればそのうち登録するでしょうから、それまで待てばよいですね。
というわけで既に結論は出てしまっていますが、それだと話が終わってしまいますのでもう少し気になる点を探っていきたいと思います。
ほとんど情報量のない同社サイトを見て気が付くのは、普通の会社であれば記載されているはずの代表者の氏名などの情報が全く記載されていないという点です。
住所についても六本木のマンションのようですが部屋番号の記載がないので不完全です。
スタッフに関する記述もつかみどころがありません。
以下の運用実績についても記者の記憶が正しければ過去数年は数字が更新されておらず、さらにその詳しい説明がないため信憑性は不明です。
同社サイトから資料請求してみましたが、結局資料は届きませんでした。
また同社の信用を著しく損ねているのがステルスマーケティングを利用している点ですね。たとえばこうした形で取り上げられいます。
・ヘッジファンドランキング.com
・投資信託初心者.com
・1億円を作る投資術
・moneybridge-online.com
なぜこれらがステルスマーケティングかと言うと、投資内容が不明確な同社を無批判に1位にしているという不自然さもありますが、それだけでなく、以下のような「Googleの検索結果に出てこないページ」にリンクを張っているからです。
https://bmcapital.jp/27892/
https://bmcapital.jp/32975/
https://bmcapital.jp/84165/
第3者サイトであればこうしたページにリンクを張るはずがありません。見つけられませんからね。
ちなみに上記ステマサイトは記者からすれば見慣れたサイトばかりで、これまでこうした会社を上位に推してきました。
・ファインドエッジ
>>>年36%のファインドエッジはやっぱり終了 黒幕は誰?
・キャロライナパートナーズ
>>>金融庁が警告!キャロライナパートナーズはやはり違法
・レッドキャピタル
>>>+53%!レッドキャピタルはどこに行った?
しかしながら、「ファインドエッジ」と「キャロライナパートナーズ」は金融庁によって違法だと指摘され実質的に破綻し、「レッドキャピタル」もいつの間にやらいなくなってしまいました。
つまりは
1. ステルスマーケティングによって問題がある会社を1位に賞賛して投資資金を集め
2.そうした会社が金融庁からの指摘などによって活動が困難になれば、新たな会社を興して投資資金を集める
という詐欺的な手法が繰り返されてきたことになります。
賢明な読者の方々はくれぐれもこうした問題のある広告手法に騙されないようにしていただければと思います。
長くなりましたが、ここまでが前回のコラムで指摘した事項ですが、今回は読者の方の上記指摘についてもチェックしてみたいと思います。
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この会社が大量保有報告書を出していると思い探してみてもどこにも見つかりません。 また、
https://center-for-the-arts.org/bmcapital-ponzi/
このサイトで、「大株主リストに実態があります」と萬世電機と三京化成の大株主リストのスクショがあるものの、過去の該当会社の大株主リストを別に探して見ると、大株主リストにBMキャピタルの名前がありません。
つまり【実態があります】としてる掲載画像が捏造されたものでした!
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指摘の画像はこれですね。
確かに現在、この2つの会社でBMキャピタルは大株主になっていないので不正確であるのは間違いないですが、他方でツイッターでは以下のような画像がツイートされていました。
つまり2020年6月の時点の情報とは正しいと言えそうです。
しかし。
現時点でBMキャピタルが株主になっている会社をスクリーニングしても1社も出てきません(現在の社名はビーエムキャピタル合同会社です)。
そうするとアクティビストとしての実態はないわけですから、やはり投資してはいけないということでいいかと思います。大株主でないアクティビストなんて聞いたことないですからね。
そもそも繰り返しになりますが合同会社に投資してはいけませんが。
ちなみに今回、WEBサーフィンをしていると以下のような情報も見つけました。
この情報が正しいかどうかは分かりませんが、もし正しいのだとすると、「直近4年で資産2倍以上」というのは大ウソということになります。検討中の方はぜひ同社に確認してみてください。
また、米国株のインデックスであるS&P500のファンドに投資した方がはるかに有利なリターンとなっていたということですね。
こちらは過去10年の平均リターンが年19%なわけですからね。
そうした点からも、やはりこのBMキャピタルへの投資は慎重にご判断ください。
なお、これまで金融庁の監督外であった「合同会社の社員権の自己募集」ですが、2022年9月現在、いよいよ金融庁の監督下となるよう、建議が行われている最中です。
そうなると、許認可を得ていない合同会社がステルスマーケティングを利用して勧誘するのは不可能になります。
早く規制強化が行われてほしいものですね。
では最後に、あくまで一般論ですが、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
加えてこちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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