上記グラフをご覧になれば分かるように、定期預金と関係の深い、3年もの市場金利と5年もの市場金利は足元で上昇しています。
1週間前からの金利の動きをチェックするとこうです。
・3年もの金利:+0%前後→+0.1%前後
・5年もの金利:+0.13%前後→+0.22%前後
どちらも依然低水準ですが、やはり上昇していますね。
次に長期金利の動向はと言うとこうです。
先月のこの時期と比較するとこのようになっています。
・長期金利:+0.25%→+0.39%
こちらも上昇し、これまでご案内してきたイールドカーブコントロールの上限である0.25%を飛び越えていますね。
ではなぜこのように金利が上昇しているかと言えば、日銀が金融政策を少し変更し、これまでの長期金利の変動幅である「−0.25%〜+0.25%」を「−0.5%〜+0.5%」に拡大させたからです。
上限も下限も0.25%ずつ拡大したわけですが、上記グラフの通り最近の長期金利は上限に張り付いていますので、上限を引き上げるということは実質的に「金利引き上げ」ということになります。
実際に長期金利は上昇しているわけですしね。
ちなみになぜこのタイミングでイールドカーブコントロールの変動幅を拡大させたかと言えば、1つには「円安対策」というのもあると思いますが(金利が上がると円高になります)、それに加えて、来年4月の黒田総裁退任に向けて、「少し金利を上げておこう」という思惑もあったのかもしれません。
金利が多少なりとも上がっていれば、新しい日銀総裁はそこから金利をさらに上げることも、逆に下げることもできるフリーハンドを得られることになります。
インフレ率も一時的かもしれませんが、日銀の目標である2%を大きく上回っていますからね。「上げようと思えば上げれる」状況であったということです。金融政策を変更する必要は全くないと断言していた黒田総裁はぶっちゃけウソをついていたことにはなりますが。
それはともかくとしてそのように金利が上昇しているわけですから、定期預金金利への好影響が期待されるわけですが、ただ上記の通り今のところ金利上昇幅は「+0.1%程度」ですので、同じく定期預金金利についても
・+0.1%上昇するかどうか
と言ったレベルかなと思います。もちろん今のゼロが並ぶ金利からすれば+0.1%でも金利が上昇すれば大きな変化ですが。
加えて金利の変動幅は「0.25%ずつ拡大」しているわけですから、
・最大で+0.25%上昇する可能性がある
とも言えます。満遍なく0.25%ずつ上昇するかは分かりませんが、特に5年ものなど長めの定期預金金利は、より金利が上昇する可能性が高まります。期待したいところですね。
もっと言えば、最長10年の仕組み預金や、個人向け国債の10年ものはさらに金利が上昇しやすいですね。
変動10年の国債は人気が爆発するかもしれません。来月以降の金利に注目です。
参考になさってください。
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