2020年に表面化したコロナ禍によって激動の3年が過ぎましたが、今年=2023年はどういった1年となるのでしょうか?そして金利は上がるのでしょうか?
というわけで恒例の「今年の定期預金金利見通し」についてご案内したいと思います。
まずこれまでの市場金利の動向を振り返ってみると、過去5年の長期金利の推移はこのようになっています。
2019年に金利が大きくマイナスになったことが象徴しているように、2022年くらいまでは全体的に低金利に留まったことが分かります。
このように金利が低位安定してきた理由は、日銀が金融緩和の枠組みであるイールドカーブコントロールによって金利の「上限」を設定してきたことですね。
これまでこのイールドカーブコントロールにおける長期金利の変動幅は何度か拡大されながらも、直近まで「−0.25%〜+0.25%」となっており、実際、長期金利はその上限である0.25%以下に維持されてきたわけです。
ただ日銀は昨年の12月に突然、この変動幅を「−0.5%〜+0.5%」に拡大しました。あくまで「変動幅の拡大」となっていますが、実質的には「金利の引き上げ」です。
その背景となっているのが物価上昇=インフレ率の上昇です。インフレ率の推移をチェックするとこうなっています。
足元では、既に日銀の目標である2%を大きく超えているわけですね!目標をクリアしているわけですから、金融緩和が縮小=利上げされるのも当然だと言えます。
とは言え、日銀が目指しているのは、「賃上げを伴う良いインフレ」であって、今のような「コストプッシュ型のインフレ」ではありません。
加えて現在のインフレも、供給制限が収まってくれば徐々に落ち着いてくると予想されており、実際、アメリカなどではすでにインフレ率は低下を始めています。
そのように考えると、今後、日銀がどんどん金利を引き上げていくというのは考えにくいですが、少なくとも実質的に+0.25%金利を引き上げたわけですから、定期預金金利も同様に+0.25%程度は上昇してほしいものです。
また、4月には日銀総裁が交代することになります。日銀として同じ経済予測を前提にするのであれば、金融政策が総裁交代によって変更する余地はありませんが、そうは言いつつ、これまでの金融政策を変更するには良いタイミングですね。
では日銀が政策変更し、2023年中にさらなる利上げを行うのでしょうか?
もちろんその答えは誰にも分かりませんが、上記の通りアメリカなどですでにインフレ率が低下し始めていることを考慮すれば、日銀が今から更なる利上げをするというのは、ちょっとタイミングが悪いですね。
日米金利差を原因とする円安もすでにかなり修正されていますし。
そうしたわけで、当サイトでは「2023年中に日銀のさらなる利上げはない」と予想しますが、ただ昨年12月の実質的な利上げはまだ定期預金に波及していない状況ですね。
従って定期預金金利については「+0.1%〜+0.2%程度上昇する」と予測しておきたいと思います。
定期預金金利については日銀がマイナス金利政策が終了しない限り、銀行としてもなかなか積極的にお金を集める気にはなれないのかもしれませんが・・・期待だけはしておきたいと思います。
参考になさってください。
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