当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは利回り6.5%を喧伝する、Alterna Bank=オルタナバンクの「国内分散運用型パッケージ」です。
オルタナバンクとは聞いたことがありませんので、外資系銀行かなと思ったりもしますが、ロゴの横に小さく、旧サービス名が記載されています。
つまりは何のことはない、SAMURAI証券が提供していたソーシャルレンディング「SAMURAI FUND」の名称を変更しただけのことですね。
とは言いつつ、順調であればわざわざ名称変更する必要はありませんので、あまりよろしくない印象を受けるのは記者だけではないと思います。
ちなみにSAMURAI証券についてはこれまで以下の通り取り上げてきました。
>>>まだまだ大赤字!利回り5.8%のSAMURAI FUNDは魅力的?
>>>やっぱり赤字!利回り3.5%のSAMURAI FUNDは魅力的?
>>>どこもかしこも赤字だらけ!SAMURAI FUND&大家ドットコムは魅力的?
>>>利回り7%!SAMURAI FUNDは魅力的?
>>>利回り5.5%!SAMURAI証券はやっぱり大赤字
またSAMURAI証券の前身はAIP証券で、同社については以下の通り取り上げてきました。
>>>必見!クラウドファンディング「スマートエクイティ」は大赤字
>>>スマートエクイティ 酵素サプリボンド6%は魅力的?
>>>スマートエクイティ スリランカ預金ファンド5%は魅力的?
では早速、利回り6.5%の「国内分散運用型パッケージ」の商品内容を抜粋するとこうなります。
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本匿名組合は、SAMURAI CAPITAL MANAGEMENT1号合同会社がSAMURAI ASSET FINANCE株式会社に対して貸付を行う貸付型クラウドファンディングとなります。
本匿名組合は、SAMURAI CAPITAL MANAGEMENT1号合同会社が実施する、SAMURAI ASSET FINANCE株式会社への貸付事業から生ずる収益を出資者に分配するものです。
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前回取り上げた時の内容と全く変わらないわけですが、図を見るとこのように示されています。
最終的な貸付先は「SAMURAI ASSET FINANCE株式会社」 ではなく、さらにその先に「最終資金需要者」がいるということですね。
ただこちらの「最終資金需要者」への貸付については以下のように説明されています。
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貸付先の資金使途は国内事業者及び海外事業者に対する貸付資金のバックファイナンスとなります。
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つまりは「最終資金需要者」は「国内事業者及び海外事業者」ということで全く誰か分かりません。誰か分からなければ貸出リスクを判断することはできませんので、「投資してはいけない」という結論で良いと思います。
ちなみにこの案件には以下3人のSAMURAI証券グループの関係者がいるわけですが、それぞれの財務情報をチェックするとこうなっています。
1.ファンド募集:SAMURAI証券
ずっと巨額赤字が続いています。
2.ファンド営業者:SAMURAI CAPITAL MANAGEMENT1号合同会社
こちらもわずか6千円ながらマイナスです。
3.貸付先:SAMURAI ASSET FINANCE株式会社
こちらも過去2年は赤字です。
要するに
・ファンド募集会社:赤字
・ファンド営業者:赤字
・ファンド貸付先:赤字
ということですから、やはりシンプルに「投資してはいけない」というのが結論ですね。貸付先がもちろんとして、営業者や募集会社が倒産しても回収は困難になります。
ただファンド募集会社であるSAMURAI証券と、貸付先であるSAMURAI ASSET FINANCE社は、前期=2022年12月期決算の数字が確定しており、そろそろ官報含め発表するタイミングですから、もうちょっと後にこの記事を書いても良かったかもしれません。
折を見て両社の最新の決算をチェックしてみたいと思います。
しかしいつものコメントとなりますが、ほとんどのソーシャルレンディング会社が破綻したところを見ると、ソーシャルレンディングは投資家だけではなく、事業会社からしても「儲からないビジネス」という感じがしますね。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
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