当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは株式会社ウェルスナビの全自動資産運用「ウェルスナビ」ですね。CMを見た人も多いかもしれませんが、要するに毎月積み立てをしておくと、複数の投資信託を自動的に購入してくれるサービスです。
サイトを見ると
・金融商品の選定
・発注
・積み立て
・リバランス
・税金最適化
の5つを自動でやってくれるというわけですね。では実際にその運用実績はどうなっているかと言うとこういうことのようです。
「リスク許容度3」を選び、当初100万円×毎月3万円積み立てしたとすると7年間で「1.6倍」ということですね!すばらしい。
ちなみに「リスク許容度1」「リスク許容度5」の場合はこうです。
リスク許容度1の場合は「1.4倍」、リスク許容度5の場合は「1.7倍」ということで、ちゃんとリスクとリターンの相関は取れているということです。
ではこのしっかりとした実績のあるウェルスナビはオススメと言えるのでしょうか?
個人的には十分「あり」だと思いますし、「自動でやってくれる」ことに付加価値を感じる人にはオススメと言ってよいと感じます。
ただし。
この7年間の株価は基本的に右肩上がりでしたからね!日経平均はこうです。
9割近く上昇していることが分かります。
次にアメリカのNYダウはこうです。
こちらはちょうど2倍ですね!さらには円安もありますから、「1.6倍のパフォーマンスなんて当たり前」という事も言えそうです。
加えて運用リターンに関わる部分で一番気になるのはここかもしれません。
ウェルスナビへの手数料が投資元本に対し、年1%の割合でかかるということですね!
とすると単純計算では「自分でETFで運用した場合」と比較して自動的に「1%分負ける」ということになります。ETFのリターンが5%の場合は4%になってしまいますし、0%の場合は−1%になってしまいます。
とは言いつつ低コストで人気のファンド「eMAXIS」の「日経225インデックス」の手数料をチェックするとこうなっています。
・信託報酬:年0.44%
つまりはタダで運用してくれるはずもなく、低コストファンドですら何やかんやで0.5%近い手数料を取られるなら、ウェルスナビの1%の手数料も「そんなもの」と言えるかもしれません。
ちなみに「積み立てなし」での運用実績はこうなります。
比較対象として上記「eMAXIS」の「NYダウインデックス」を選ぶとこうなっています。
2016年当時、14,000円くらいだった基準価額が、足元では38,000円程度となっています。つまり2.7倍=270ということになります。
であれば、難しいことを考えずにNYダウインデックスをコツコツ買っておけばいいような気もしますし、実際それが正しいのではないかと思いますが、とは言いつつウェルスナビのリターンも決して悪いものではありません。
また、こうしたサービスが真価を発揮するのは、上がっている時ではなく下がっている時ではないかとも思いますしね。
その点ではポートフォリオの一部にウェルスナビのような「自動投資」を加えるのは決して悪いことではないと思います。
参考になさってください。
では最後に、あくまで一般論ですが、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
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