2023年は日銀の実質的な利上げもあって、久しぶりに定期預金金利も少し上昇しましたが、今年=2024年はどういった1年となるのでしょうか?そして金利はさらに上がるのでしょうか?
というわけで恒例の「今年の定期預金金利見通し」についてご案内したいと思います。
まずこれまでの市場金利の動向を振り返ってみると、過去5年の長期金利の推移はこのようになっています。
2019年に金利が大きくマイナスになったことが象徴しているように、2021年くらいまでは全体的に低金利に留まったことが分かります。
このように金利が低位安定してきた理由は、日銀が金融緩和の枠組みであるイールドカーブコントロールによって金利の「上限」を設定してきたことですね。上限が決まっているわけですから金利が上昇しないのは当然です。
ただ日銀は段階的にこの上限を引き上げており、2023年には上限を1%としたことから長期金利がハネ上がりました。その背景となっているのが物価上昇=インフレ率の上昇です。インフレ率の推移をチェックするとこうなっています。
足元では低下の兆しがあるものの、既に日銀の目標である2%を大きく超えているわけですね!目標をクリアしているわけですから、金融緩和が縮小=利上げされるのも当然だと言えます。
とは言え、日銀が目指しているのは、「賃上げを伴う良いインフレ」であって、最近のような「コストプッシュ型のインフレ」ではありません。
加えて現在のインフレも徐々に落ち着いてくると予想されており、実際、アメリカなどでは一足早くインフレ率が低下を始めています。
そのように考えると、今後、日銀がさらに長期金利を引き上げていくというのは考えにくいですね。
他方で確実視されているのが春=3月を目途とした「マイナス金利の解除」です。長期金利の上限を十分に引き上げた今となっては残る金融緩和の柱は短期金利を引き下げる「マイナス金利政策」です。
日銀としてはインフレ率が高い間に短期金利の方も少し修正しておきたいということでしょう。
ただ残念ながら、マイナス金利を解除しても金利にほとんど影響ないということになっています。定期預金金利が上昇するとすれば、「マイナス金利解除」の後の「ゼロ金利解除」のタイミングですが、そこまで進めるかどうかはタイミング的にはかなり微妙になってきました。
正月気分を吹き飛ばした能登半島地震も、金融正常化には逆風となります。
そうしたわけで、当サイトでは「2024年中にマイナス金利の解除はあるものの、それ以上の利上げはない」と予想します。従って2024年の定期預金金利の動向については「大きな変化はない」と結論づけたいと思います。
むしろ今後、アメリカなどで「利下げ」が実施されれば、日本の金利にも低下圧力がかかり、「2024年後半には定期預金金利が下がる」可能性もあります。今年はあまり楽観できなさそうですね・・・。
参考になさってください。
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