当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはヤマワケエステート株式会社の「ヤマワケエステート」です。聞いたことのない会社名ですが、読者の方から以下のような投稿が届きました。
−−−
BMキャピタルにハマりそうなところを救っていただいた者です。
JREITを検討しているところにヤマワケエステートの広告が山ほど流れてきます。
ものすごい高利回りなので無視もできず…ご見解を頂けると嬉しいです。
−−−
BMキャピタルにハマらなくてよかったですね!規制強化で、もはや合同会社では資金集めはできないはずですが、今でも定期的に会社名を変更しながら活動を続けているのは一体どうしたわけでしょうか・・・金融庁はしっかりしてほしいものです。
それはともかくとしてヤマワケエステートですね。最新ファンドの1つはこのような内容になっています。
募集金額は3,800万円とかわいいですが、利回りは年14.1%×8ヶ月という、かわいくない高利回りです。定期預金では実現不可能なこのリターン。魅力的かと言うと・・・残念ながら魅力的ではありません。
まだまだゼロ金利が続く今の時代、普通の企業であれば1〜2%の金利で銀行からお金を借りれます。金利が1%を切る場合も珍しくありません。そうした中で、なぜ年14.1%という金利を払って面倒な個人からお金を集める必要があるのでしょうか?
考えられる理由はこうしたものです。
・銀行からお金を借りると金利が14%を超える赤字会社だから
・高金利を餌に顧客を集めて別の商品を売ろうとしているから
・そもそも返す気のないポンジスキームだから
正解は分かりませんが、いずれにしても投資してはいけないということです。世の中ウマイ話はありません。
そもそもこうした新築物件の利益率というのはいくらくらいなのでしょうか? 真っ先に思いついたタマホームの2024年5月期第3四半期決算の結果を見てみるとこうなっています。
・売上:1,525億円
・営業利益:15億円
・経常利益:17億円
・当期利益:7億円
売上に対する営業利益率はたったの1%です。去年のこの時期はまだ良かったようですが、それでも4〜5%です。つまりは新築の建売は決して大きく儲かるビジネスではないということですね。とすると年14.1%もの利息を払えば普通にやれば利益は出ないと推測されます。
もちろん投資先企業はボランティアではありませんので、儲からないなら投資を受けません。投資家だって儲からないなら投資をしないのと一緒です。
とするとやはり、この案件の裏には上記のような宜しくない思惑がありそうです。
実際にそうなのかは分かりませんが、大切な資金を渡してしまうわけですからね!「性悪説」で考えるのが基本です。
加えて投資をしてはいけない理由としては、いつもと同じことながらこのヤマワケエステート社も、その親会社であるWeCapital株式会社も、財務内容を一切公表していない点が挙げられます。
つまり、そもそもこのヤマワケエステート社が信頼できる会社なのかどうか全く分からないということです。
投資を検討するとしてももっと透明性が上がらなければお話になりません。ソーシャルレンディングの会社もほとんどが潰れましたからね。油断は禁物です。
参考になさってください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
![]() |
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |
![]() |