当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはGOファンド株式会社の「GOファンド」です。そのまんまです。ホームページでは以下のような点が訴求されています。
・運用者の顔が見える安心感
・安定かつ高い運用パフォーマンス
・ネットでかんたん、少額から始められる
運用者の顔が見えるから安心なわけがありません。これまで多くの投資詐欺が摘発されてきましたが、首謀者はむしろ積極的に顔出ししてたのではないですかね?
「ネットでかんたん」というのも、どちらかと言えばコンプライアンスが緩い響きがありますので、メリットなのかどうかは不明です。
そして何より怪しさ満点なのが「安定かつ高い運用パフォーマンス」という点ですね。「年率15%以上のパフォーマンスを目指す」ということですが、もし安定的に年率15%のリターンを出せるのであれば、銀行から2%でも3%でも利息を払って資金調達した方が遥かに効率よく規模を拡大できます。
仮に金利が3%でも、残り12%のリターンが手元に残ります。投資家から資金を集めれば運用会社としてのリターンは逆に3%とかになってしまいますから、全く割に合いません。
そうした非合理的なことをしているということは結局のところ「安定的に15%のリターンを出すことはできない」ということですね。
百歩譲って安定的ではないとしても本当に年率15%のリターンが出せるのであれば、わざわざ個人から10万円ずつ集めなくても機関投資家から100億円単位で投資してもらえるはずですしね。
そうしたわけで結論としては「投資してはいけない」ということでいいと思いますが、念のためGOファンドの運用実績をチェックしてみると、会社が公表しているものはないようです。
であればやっぱり投資してはダメですね。運用成績が分からないのに投資できるはずがありません。
念のためGOファンドの会社としてのIR情報を探してみましたが、こちらも発見できませんでした。
黒字なのか赤字なのかも分からない会社に投資するなど論外です。
ちなみに同社ホームページにはこのようなお知らせが掲載されていました。
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一部匿名のSNSにおける、事実と異なる投稿に関する注意喚起
一部匿名のSNSにおいて、当社ファンドで2年連続のマイナスリターン、年間で40%を超える元本割れを起こしていることを示すような投稿がなされておりますが、これは事実と異なるものです。
当該投稿は特定の一期間を恣意的に切り取ったものであり、2023年12月末時点では年間(2023年1月〜2023年12月)で+16.4%(手数料控除前)となっており、投稿の内容は事実とは異なるものです。
当社ファンドは債券運用メインのファンドであるため、欧米利上げ局面の2022年は非常に厳しいパフォーマンスだったものの、2023年からは回復し、2023年以降にご投資されたお客さまは全員がプラスリターンとなっています。また、全顧客のうち過半数もプラスリターンとなっております。
https://gofund.co.jp/topics/202401241428/
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「2年連続のマイナスリターン」「年間で40%を超える元本割れ」とは穏やかではないですが、それに対して「全顧客のうち過半数がプラスリターン」というのは歯切れの悪い回答ですね。言い換えれば「半数近くの顧客がマイナスリターン」ということになります。
「安定的に15%のリターン」というイメージからはほど遠い実態ですね。しかもそうした実態を公表していないわけですからたちが悪いです。
なお「匿名のSNS」を検索したところ、このようなリターン実績が出てきました。
2022年は何と−45.5%ということですね。つまりは半減です。これはひどい。
マイナスの理由として「債券運用メインのファンドであるため、欧米利上げ局面の2022年は非常に厳しいパフォーマンスだった」 とのことですが、では同じく債券メインのグローバル・ソブリン・オープンのパフォーマンスはというとこうです。
2022年は年間で−5.62%ということで決して良い成績ではありませんが、とは言えGOファンドのマイナスはその8倍ですからね!一体どんな運用をしているのでしょうか・・・。
また「2023年は+16.4%」とのことですが、2022年は上記の通り−45.5%ですから2022年以前に投資されている人はまだまだ大赤字のままです。半数近くの顧客がマイナスというのも当然ですね。
そうしたわけで、どこを見てもどこから見てもGOファンドには「投資してはいけない」ということで良いと思います。
十分お気をつけください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
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