当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは株式会社ネクサスエージェントが運用する「みんなの年金」ですね。サイトを見ると
・予想利回り8%の安定収入
とのことですが、その中身はどうなのでしょうか?
というかそもそも「予想利回り」って一体何だという話はありますね。利回りは市況や運用状況によって上がったり下がったりするはずなのに、「8%の決め打ち」である時点で、丼勘定でお金を配分する姿勢が見えます。
加えて「みんなの〜」と名のつくものは大体ポンジスキームでしたね。印象としては宜しくありません。
なお前回同社を取り上げた記事はこちらとなりますのでご興味がある方はご覧ください。
>>>利回り8%!「みんなの年金」は魅力的?
それはともかくとして最新商品である「みんなの年金/95号ファンド」は以下のようなスペックになっています。
−−−
・募集金額:59,500,000(595口・優先出資枠)
・出資総額:66,200,000円 (※うち6,700,000円は同社が劣後出資)
・予定利回り(年率・税引前):8.0%(インカム 3.5% + キャピタル 4.5%)
・予定運用期間:12ヶ月 (2024/10/29 〜 2025/10/28)
−−−
疑問の「予定」利回り8%の中身については上記の通り「インカム3.5%+キャピタル4.5%」とのことですね。マンションに投資して諸々諸経費を差っ引いて利回りが3.5%というのは理解できますが、逆に言えば8%を達成するにはキャピタル4.5%は必達ということです。つまり、必ず1年以内に4.5%以上値上げして売らないといけないということです。
これまで順調に上昇を続けてきたマンション価格ですが、インフレ率や賃金上昇率を遥かに超える形での上昇がいつまでも続くわけがありません。買える人がいなくなりますからね。
加えてついに金利も上がり始めましたからね。その点では逆風が吹き始めています。とするとこの「8%」の確実性はかなり怪しいと言えますし、それでも8%が安定して続くようであればポンジだと言っているようなものです。
加えてそもそも安定的に8%のリターンを得られるのであれば、融資と自己資金を活用しながら事業をする方が遥かに利益が得られます。リターンの全てが自分のものになるわけですからね。
それをわざわざ高いコストを払ってまで集金するということは「何か裏がある」と考えるのが大人の嗜みですね。
最後にもう1つ、投資を慎重に考えた方がよい理由を付け加えると、ホームページを見る限り、運営会社である株式会社ネクサスエージェントの財務内容は一切分かりません。
運営会社に体力があれば、万が一の時にも財産保全が期待できますが、この会社の場合は体力があるのかどうか、そもそも赤字か黒字かも分かりません。
もし仮に会社が倒産すれば、投資スキームが健全であったとしても回収はかなり困難になります。ご注意ください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.低金利で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |