当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは株式会社シーラの「利回りくん」です。不動産クラウドファンディングとして「国内会員数No.1」ということですが、あまり聞いたことがありませんねぇ。
ということで早速、募集されているファンドを見てみるとこうなっています。
利回りはどちらも4.5%ということですね!決して目を瞠るような高さではないですが、逆に経済合理性を考えるとこれくらいが自然かなという気がします。
上場企業グループですから銀行から1〜2%程度でお金を借りられそうですし、社債を発行したとしても利回りが3%とかにはならないと思います。とすると、そもそもこの不動産クラウドファンディング事業自体、本来は必要ないと言えそうですが、投資家にリスクを押し付けられるわけですし、多少なりとも利益を残すという点では利回りはこの4.5%くらいが上限というのは分かる気がします。
ただ、今は透明性も安全性も流動性も遥かに高いJ−REITの利回りが5%を超えていますからね!記者なら迷わずJ−REITに投資すると思います。
ちなみに投資の中身を見てみると、南房総市の築1年の約150uの木造戸建てを購入するようです。
これが7400万円って高くないですか?
こちらの南房総市の築5年の物件は土地が300u以上あっても5,000万円弱です。
仮に1案件あたり2,000万円くらいの利益が乗っかっているとすれば、本件のビジネスモデルが見えてきますが、その場合もちろん最終的に損をするのは高値掴みした投資家ということになります。
いずれにしても投資を検討されている方はこれらの物件の「時価」をチェックしておくことが必須ですね。
ちなみに親会社であるシーラテクノロジーズ社は、2024年度は増収増益と業績は良好なようです。
ただ提携先の株式会社クミカを実質的に救済合併するようですので、会社の存続リスクは相対的に増しています。クミカ社の業績は激しく減収減益です。立て直せなければ共倒れですね。
実際、シーラテクノロジーズ社の株価は下がり続けています。
慎重にご検討ください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.低金利で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
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