当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは明治株式会社の「くじらファンディング」です。あの明治のクラファンか!と期待されたかもしれませんが、「お菓子の明治」は「株式会社明治」であってこちらは「明治株式会社」です。
そうした有利誤認を狙ったかどうかは分かりませんが、googleの広告表示もこのようになっています。
やはりあの「明治」のクラウドファンディングと思ってしまいますよね。
ちなみにこちらの明治株式会社は「豊臣ホールディングス」の中の1社ということになっています。
明治に豊臣・・・パクリ感が半端ないですが、同社社長の西園寺優真氏は「日本華僑不動産協会の副会長」とのことで、そもそも中国ルーツの方であるというオチです。
もちろんどこの国の人であろうと日本で成功してもらって構わないわけですが、とは言いつつ縁もゆかりもないであろう「明治」や「豊臣」を使われるのはあまりいい気持ちはしませんね。実際、間違える人も少なくなさそうですし。
そうしたわけで社名からして抵抗感を感じてしまうこちらの商品ですが、具体的な中身を見てみると最新のものはこのようになっています。
−−−
・ファンド名:くじら19号
・所在地:大阪市浪速区日本橋西2丁目
・床面積 25.67u×2戸(対象住戸)
・築年月 2021年10月
・民泊物件としての需要が想定され、バリューアップの後、再販を行います。
−−−
写真を見れば分かるように、露骨に自社物件をハメ込んでいるわけですね。これって利益相反で何か法令に抵触したりしないのでしょうか・・・。
それはともかくとして物件オーナーである豊臣グループからすれば1円でも高く売れた方がいいわけで、とすると25.67u×2戸のマンション価格が6,000万円で妥当なのか気になってきます。
ちなみにこちらの物件は賃貸情報が出ていましてこうなっています。
賃料6万7,500円+管理費8,000円ということですから合計で7万5,500円ということですね。
で、難波の投資マンションの利回りが4.3%程度のようですので、そこから逆算するとこの物件(2戸)の資産価値はこのようになります。
・7万5,500円×2戸÷4.3%=4,214万円
そう考えると6,000万円という出資総額はあまりに高いですね。投資家に高値で売りつけているように見えます。
また視点を変えると、6,000万円を分母にした場合、家賃利回りは3%しかありません。しかし想定利回りは7.8%となっています。
ぜひ「想定」の根拠を知りたいですねぇ。
ランニングコストを全て無視したとしても、家賃でカバーできるのは3%なので、少なくとも13ヶ月で物件価格が5%程度は上昇しないと7.8%のリターンは得られません。金利が上昇し、マンション価格に逆風が吹き始めた中で、ここからさらに5%価格が上昇するのか気になるところですが、いずれにしても「インカム型」などと言いつつ実際にはキャピタルゲインに大きく依存する投資であることには注意が必要です。
ちなみにこのファンドを提供している明治社の業績は確認できませんでした。5年前までは一定の利益があったようですが、投資に当たってはこうした情報を調べておくことも重要ですね。
なおこの投資の利回りが7.8%ではなく、実質的には上記の通り「インカム3%+キャピタルゲイン」なのだとすると、いつもご案内しているようにJ−REITの方がはるかにオススメです。今は配当利回りが5%前後にまで上昇していますからね。
こちらは言い換えれば「インカム5%+キャピタルゲイン」ということです。
慎重にご検討ください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.低金利で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
![]() |
定期預金に関するあなたのクチコミを教えてください。クチコミは人気銀行を中心に順次掲載いたします。 メールの場合はこちらから |
![]() |