当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのはBMキャピタルですね。当サイトでも過去に以下のように取り上げています。
>>>まだくだらないことをしているBMキャピタルに投資してはダメ
>>>規制強化の後、BMキャピタルはどうなった?
>>>BMキャピタル、あきらかに投資詐欺だと思います。
>>>BMキャピタルへの投資はやめておくべきですか?
これまで指摘した点を抜粋すると、まず同社の運用実績についてはこのような情報が見つかりました。
これが正しいのであれば、実質的な利回りはかなり低いということですね。というかマイナスの年もあります!
同社ホームページでは以下のような実績が喧伝されていましたが、これらも虚偽ということになってしまいます。果たしてどうなのでしょうか。
・マイナスの年:0回
・資産価値:6年で2倍
・平均利回り:年10%以上
>>>同社サイト
加えて同社が悪質なのは、卑劣なステルスマーケティングを行っていることで、以下のように指摘させていただきました。
・ヘッジファンドランキング.com
・投資信託初心者.com
・1億円を作る投資術
・moneybridge-online.com
こうした点を踏まえれば、BMキャピタルに投資してはいけないと考えるのは当然ですが、そんなBMキャピタルにもついに転機が訪れました。何かと言うと、2022年10月から金融庁が「合同会社」に対する規制を強化したのですね!
これまで金融庁の監督外であった「合同会社の社員権の自己募集」ですが、規制強化後は、許認可を得ていない合同会社がステルスマーケティングを利用して勧誘するのは不可能になりました。
そしてついに2025年4月に証券取引等監視委員会が、金商法違反を理由に禁止および停止命令発出の申し立てを行ったということですね。この2年半一体何をしていたのだという気もしますが、報道発表資料から引用するとこういうことです。
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証券取引等監視委員会が、Black Clover Limited(ブラッククローバー社、代表者 坂本俊吾(さかもとしゅんご))に対して金融商品取引法に基づく調査を行った結果、東京地方裁判所に対し、当社及び当社の代表者である坂本を被申立人として、金商法違反行為(下記ア〜ウ)の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行った。
ア 無登録で、金商法第2条第2項第5号又は第6号に掲げる権利について、募集又は私募を業として行うこと
イ 無登録で、金商法第2条第2項第5号又は第6号に掲げる権利の売買の媒介を業として行うこと
ウ 無登録で、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、金商法第2条第2項第5号又は第6号に掲げる権利を有する者から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産の運用を業として行うこと
https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2025/2025/20250425-1.html
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BMキャピタルではなく、ブラッククローバーということで何だっけ?という話ですが、「事実関係」を抜粋するとこうなっています。
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当社の代表者である坂本は、当社の従業員が設立した複数の合同会社のファンドマネージャーとして、具体的な運用業務を行うほか、勧誘に係る指導や勧誘資料の作成を行うなど、運用や勧誘行為において極めて重要な役割を果たしている。
各合同会社は、「BM CAPITAL」というサービス名を用いて、社員権の自己募集であるとして資金を
調達(出資者延べ1816名、出資額約223億円)した上、一定期間、日本国内の上場企業株式で運用した後、出資者からの同意を得たうえで、順次会社を解散し、持分相当額の返金を望む出資者に係る運用資産を除き、当社に運用資産の全額を現物出資することにより、運用業務を移管した。
(1) 集団投資スキーム持分の募集又は私募及び売買の媒介
当社らは、ステルスマーケティングなどによりBM CAPITALへの投資に興味を持ち、各BM合同会社のWebサイトに誘導され、問合せをしてきた者等に対し、本件BCファンドの内容やファンドマネージャーである坂本のこれまでの運用実績が優れており、通年で一度もマイナスになったことはないことなどを説明し、その勧誘を行っている。
当社らの上記行為は、外国の法令に基づく集団投資スキーム持分の募集又は私募及び売買の媒介を業として行うものであって、金商法第28条第2項第1号及び第2号に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、無登録でこれを行うことは、同法第29条に違反する。
(2) 集団投資スキーム持分の運用
当社らは、坂本をファンドマネージャーとして、本件BCファンドの出資者が拠出した金銭や各BM合同会社から現物出資を受けた日本株を用いて、日本株の運用を行っているほか、本件BCファンドの出資者が拠出した金銭を用いて、中国株の運用を行っている。
当社らは、上記金商法違反行為を今後も行う蓋然性が高いことから、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。
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つまりは「BMキャピタル」は隠れ蓑であって、本体はブラッククローバーだったということですね。そしてある程度お金が集まったらBMキャピタルは解散させ、資金はブラッククローバーに移し、また新たなBMキャピタルを設立してお金集めを繰り返していたということになります。
なんでそんな面倒くさいことをしていたのかと言うと、「金商法逃れ」ということなのでしょうね。
ポンジスキームだったエクシアなどと比べれば、少なくともBMキャピタルについてはお金が消えてしまったわけではなさそうなので、「まだマシ」と言えるのかもしれませんが、しかし個人的には証券取引等監視委員会が指摘するように、ステルスマーケティングを利用して庶民を騙しながら集客するその手法は許せません。
ぜひステルスマーケティングを実施したサイトオーナーも摘発してほしいものですね。BMキャピタルをステマ推ししていたこちらのサイトも健在です。
■SSインベストメント https://ssinvest.org/hedgefund-ranking2019/
証券取引等監視委員会にはもうひと踏ん張りしてほしいものです。
では最後に、あくまで一般論ですが、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.低金利で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
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