質問 :自営業を始めて、6年間で4000万円手元に現金が出来ました。
インフレの心配もあるし、資産運用とは考えるのですが、素人ですしどれも不安要素が多く感じます。
その中でも私募ファンドは魅力的に感じました。
事業はそんなに固定費もなく、3000万円位は当面使う先がありません。
このまま預金(勿論1000万ずつ分けてます)が良いのか悩みます。
<30代男性>
回答 : 読者の方から上記のような質問というか報告をいただきました。他に預金・貯金・資産運用に関するお悩み相談があれば月1回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方はこちらの投稿フォームから送信してください。もちろん個人情報は不要です。
さて内容に戻りまして、手元にある3,000万円の余裕資金の運用に関するご相談ですね。
まずそもそも論として、起業されて「6年で4,000万円」というのは大変すばらしいことですし、6年間やってこれたのであればこれからも同じか、さらなるペースで資産が増えていく可能性は十分あると思います。
一方でビジネスというのは一寸先は闇ですね。どこに落とし穴があるか分かりません。その点ではそうした「もしも」に備えて運用に関しては全くリスクを取らないという考え方もあると思います。
実際のところ、「ビジネスでリスクをとっているので運用でもリスクは怖くない」という方も、「ビジネスでリスクをとっているので運用ではリスクをとりたくない」という方もどちらも知っています。
また、インフレの心配については当面する必要がないと思います。日銀がこれだけ金融緩和をしてもインフレにならないわけですから、やはり日本円はこれからも相当長い期間、低インフレ状態が続くものと思います。
本当に積極的な運用が必要なのかじっくりご検討いただくことをお勧めした上で話を先に進めると「私募ファンド」に興味があるということですね。「魅力的に感じた」ということですが、ただ肝心の私募ファンドがどういう中身か明記されておりませんので、具体的なアドバイスは難しそうです。
ちなみに私募ファンドとは募集対象が50人未満で、主にプロを相手に組成することから簡便な手続きで済むものを指します。その点では「素人」と仰っている質問者のような方が投資することは想定されていません。より専門的な知識と自己責任が求められるわけですね。
また通常は投資金額が1億円以上など高額となります。最大49人ですから当然ですが、その点でも一般論から言えば質問者の方からするとハードルが高くなってくるのではないでしょうか。
逆に「素人でもOK、1,000万円からでもOK」と言った私募ファンドは「ちょっと怪しいかも?」と思った方が無難ですね。
なお私募ファンドは通常、不動産投資が組み込まれているという指摘もありますので、不動産系の私募ファンドの運用目標をチェックしてみるとこうなっています。
7.5%〜12.6%ということで必要十分ですが、ただこれはあくまで「目標」ですね。実績は恐らくもっと低いと思います。また取得した建物の価値はどんどん減少していきますので、そうした経年劣化も考慮すると実際の運用成績はさらに下がることになります。
加えて、わざわざ運用が不透明な私募ファンドに手を出さなくても、不動産に投資したければJ−REITファンドに投資するという手があります。残高の一番多い「しんきん
Jリートオープン(毎月決算型)」のトータルリターンはこのようになっています(年率)。
・1年:年3.01%
・3年:年0.05%
・5年:年4.38%
・10年:年5.49%
実際のリターンで比較すると私募ファンドより、J−REITファンドの方が成績が良いという可能性は十分あります。
そうしたわけで、そもそも慌てて投資する必要はないように思えることに加えて、仮に投資をするとしても私募ファンドではなく、もっと透明性の高い金融商品に投資することをお勧めしたいと思います。
参考になさってください。
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