質問 : 此の程大手銀行で外貨定額預金を豪州ドルで、50,000ドル(4,150,000円)の預金をしたのですが、とても後悔していますが、どうしたらいいですか。良い回答を、お願いします。
<60代女性>
回答 : 読者の方から上記のような質問をいただきました。他に預金・貯金・資産運用に関するお悩み相談があれば月2、3回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方はこちらの投稿フォームから送信してください。もちろん個人情報は不要です。
さて本題に戻りまして、豪ドル定期預金に預け入れたことをとても後悔している、という投稿ですね。豪ドルは日本人にとって馴染みのある通貨ですしそこまで後悔することはないような気がしますが、為替差損でも抱えてしまったのでしょうか?
5万ドル=415万円ということは1ドル=83円ということですね。過去5年の豪ドルチャートをチェックするとこうなっています。
さほど悪い水準で取引したようには見えませんね。今後、円安豪ドル高が進めば黒字になる可能性は十分あります。
さらに今すぐ解約したとしても為替差損1%+為替手数料1%=2%程度のコストで手じまいできるのではないでしょうか?415万円からすると8万円くらいの損失ということになります。少なくはないですが、元本を考えれば多いということもなさそうです。
とても後悔しているという精神的ストレスと天秤にかけて、運用を続けるのか撤退するのかご検討いただければと思います。
では仮に運用を続ける場合、今後の豪ドルの見通しはどうなのでしょうか?
正直言って為替についてはプロでも予想が難しいと言われています。株価のように絶対的価値ではなく相対的価値であることに加えて、基軸通貨である米ドルの影響も強く受けるからです。
日本経済の見通しですら難しいのに、オーストラリア経済とアメリカ経済の見通しまで考えないといけないとなると素人には不可能ですね。
ただそれだと話が終わってしまいますので、あえて豪ドルの見通しを考えてみると視点としては2つあると思います。1つ目は豪ドルの金利動向ですね。過去5年でこのようになっています。
日本と同じく過去3年以上、2.6%前後という水準で安定していることが分かります。これはオーストラリアの政策金利がこの2年間ずっと据え置きとなっているからですね。今のところ失業率の低下ペースもインフレ率の上昇ペースも緩やかであるため、後1年以上、今の金利水準が続くと予想されているようです。
とすると為替レートもあまり大きな動きはないのかもしれません。
逆にオーストラリア経済が十分過熱しいよいよ政策金利が引き上げとなれば、「円安豪ドル高」となり、外貨預金で為替差益を手にするチャンスですね。
もちろん日本が政策金利を引き上げれば反対に「円高豪ドル安」になるわけですが、その可能性はオーストラリアが政策金利を引き上げる可能性に比べればはるかに小さいです。
2つ目の視点は次の金融危機・経済危機がいつ起こるのか?という疑問です。 これまで金融危機は概ね10年毎に繰り返されてきたわけで、リーマンショックからちょうど10年経った現在(2018年9月)、いつ次の危機が起こってもおかしくありません。
そしてそういう危機の時には大幅な円高が起こります。つまり「円高豪ドル安」となるわけで、外貨預金を持っていると為替差損が発生してしまう可能性が高いですね。
こうした視点を1つの豪ドルシナリオにまとめるとこうなるでしょうか。
・短期 : 為替レートはあまり動かず
・中期 : オーストラリアの政策金利引き上げにより豪ドル高 → 為替差益
・長期 : 金融危機により豪ドル安 → 為替差損
当たるかどうかは分かりませんが・・・。
では最後にもう一度、相談者の方の取り得る選択肢を考えるとこんな感じでしょうか。
1.多少の損は覚悟で今の為替レートで解約→円転してしまう。
2.損が出ないレート(1ドル=85円程度?)になるまで待った上で解約→円転する。
3.定期預金は解約して豪ドル普通預金にした上で、半分は今の為替レートで円転、残りの半分はもう少しいい為替レートになるのを待って円転する。
単に解約するだけでは面白くないという場合は3も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
参考になさってください。
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