質問 : 投資信託を少額運用しています。初めはよく分からなかったので給与受け取りにしている口座がある銀行に話を聞きに行きよく勉強させてもらってから始めました。今のところわずかですがプラスになっています。今度ボーナスが出るのでまたその銀行でお願いしようと思っていたのですが、ネットの投稿や雑誌などを読むと銀行員に相談してはいけないという話をよく目にするので少し不安になっています。銀行員に相談したり話をしてはいけないのでしょうか?そんなに悪いイメージはないのですが。 <20代/女性>
回答 : 読者の方から上記のような質問をいただきました。他に同様のお悩み相談があれば月1回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方は
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さて質問内容に戻りまして、資産運用の相談を銀行員にしていいのかどうか、という疑問ですね。
結論から言えば、なるべく話を聞かずにすむのであればそれに越したことはない、と思います。多くの方が指摘されるように、銀行の収益源は「顧客が儲かったか」ではなく「顧客がいくらの手数料を払ってくれるか」ですから、どうしても「儲かりそうな商品」ではなく「手数料が高い商品」を販売しようとする力学が働きます。
さらに顧客が投資で損をしたとしても銀行は1円も損しませんので、顧客と銀行の利害はほとんど一致しない、ということですね。
そのように考えると、銀行員から顧客にベストな提案やアドバイスが提供されるとは考えにくく、「銀行員の話を信用するな」という一般的なスローガンは相応に正しいことのように思えます。
ただ、それだとあまりにもありきたりな結論となってしまいますので、資産運用について銀行員に相談するデメリットだけでなくメリットについても考えたいと思います。
まずおそらく言えるのは、銀行員のアドバイスはそこまでひどいものではないということですね。
と言うのも銀行は金融庁が睨みを利かせていることもあり、顧客とのトラブルやクレームを極端に嫌う文化があります。そしてそうしたトラブルやクレームは常に損失が発生した時に巻き起こされます。つまりは銀行や銀行員は基本的に顧客が損することを嫌う、というわけですね。
とすると少なくとも損する可能性が高い運用商品を勧められる可能性は低いと思います。
また、同じく金融庁によって、銀行員の強引な勧誘は常に監視されています。要するに「絶対得しますよ。」「損はさせませんよ。」と言った不誠実なセールスはご法度ということですね。銀行や銀行員のコンプライアンス意識は他の金融機関と比較すれば高いと思いますのでこの点は信頼してよいと思います。
以前の証券会社は、「顧客に訴えられて一人前」といった雰囲気がありましたからね。それに比べれば銀行は極めて良心的であるということです。
さらに銀行員の評価体系はよく言われるように「減点法」であり、「失敗しなかった人」が出世する仕組みですね。大量に投資信託や保険商品を販売した人が経営層に入り、頭取候補になっていく・・・というわけではないのです。
恐らく評価や年収も業績連動というわけではないでしょうし、販売ノルマがない銀行も少なくないのではないでしょうか?
そのように考えると銀行員1人1人のモチベーションとしても、強引にでも投資商品を売りたい、という気持ちはあまりなさそうです。
そして何と言っても銀行員に相談する最大のメリットは、「銀行員のアドバイスは無料」ということですね!専門家に相談する際に手数料が請求されるのは当然として、仮に知人や親戚に相談する場合でも菓子折りの1つくらいは期待されるわけですが、銀行員への相談は完全に無料です。何なら口座すらなくても大丈夫でしょうね。
と言うことは散々相談しておいて最後はやっぱり投資しない、ということも可能ですし、いくつもの金融機関をハシゴして聞いたアドバイスの「最大公約数」や「最小公倍数」の中から、どうやら良さそうな投資手法を判断する、ということもできますね。
加えてそもそも、お金のことを相談しようと思ったら銀行員や証券マンくらいしか見当たらないわけで、証券マンに相談することに抵抗があるとすれば残るは銀行員しかいない、という現実もありますね。
そのように考えると銀行員に相談することはベストではないにしても、「ベター」な面はあるわけで、「絶対利用してはいけない」と警戒しすぎる必要はないような気がします。
要は「使い方次第」ということですね。
もちろん、冒頭ご案内したように「なるべく話を聞かずにすむのであればそれに越したことはない」という事も間違いないわけではあるのですが。
参考になさってください。
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