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30代女性「香港へ口座開設ツアーを組んでの海外口座開設は必要?」


質問 : 海外口座開設は必要か知りたいです。

知り合いから頂いた話なのですが、口座開設ツアー香港3泊4日で20万円はさすがに高いのではという点と、現地で仲介人とその場で投資内容を決める点、行っても口座開設が出来ないことがある点、そもそもこの業者を本当に信用できるのか、投資詐欺ではとも思い始めました。

ただ話を聞いてみて、外貨を外貨でもつこと、海外投資、には惹かれております。

海外の投資についても言及頂けると助かります。

<30代女性>


回答 : 読者の方から上記のような質問をいただきました。他に預金・貯金・資産運用に関するお悩み相談があれば月2、3回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方はこちらの投稿フォームから送信してください。もちろん個人情報は不要です。

さて本題に戻りまして、「海外口座の開設は必要かどうか」という質問ですね。

「海外口座」とは、日本に進出していない海外の銀行の口座を開設することだと思いますが、結論から言えば「必要ない」ということでいいと思います。

その理由を挙げていくとまず1つ目は、魅力として挙げられている「外貨を外貨で持つこと」、「海外投資」は日本の銀行の口座内で十分可能だからです。わざわざ高い費用をかけて口座を開設する必要はありません。

2つ目の理由は、そうした資金を預ける銀行自体の安全性や透明性も、日本の銀行の方が高いと考えられるからです。もちろんグローバル銀行の中には日本の銀行より規模や信用力の上で格上のところもありますが、そうした金融機関の多くは日本に進出済みだと思いますので、そこ経由で口座開設を試みるのも手ですね。わざわざ見ず知らずの場所の見ず知らずの銀行口座を開設する必要はありません。

3つ目の理由は、海外「直接」投資の難しい点でもありますが、信頼できる仲介業者を探すのが困難だからです。質問者の方が指摘されているように「投資詐欺」の可能性はゼロではありませんし、日本の法律が適用されるわけでもありませんので、仮にそのようなトラブルに巻き込まれた場合、投資資金を回収するのは極めて困難となります。

4つ目の理由は、物理的な距離の問題ですね。もし何かあれば現地に出向く必要がありますが、そうした渡航費用を十分賄えるリターンが得られないと実質的に損することになります。常識的に考えれば分かるように、「日本では投資できないけれど香港なら投資できる魅力的な投資対象」がそうあるとは思えません。もしあるなら、日本のどこかの金融機関が販売しているはずですからね。とすると、まずは日本にある金融機関を通じて投資することを考えるべきです。

5つ目の理由は、言葉の問題ですね。ただでさえ取っつきにくい投資の世界ですが、それが英語となると理解は相当難しくなると思います。そもそも現地で投資内容を決めるというのが間違っています。金融機関や仲介人はあくまで「セールスマン」であって、根源的には投資家と利害が一致しません。つまり、投資家もある程度疑ってかからなければいけないところ、相手のフィールドで、相手の言語で話が進められるというのは「負け」が確定しているように感じるのは記者だけではないと思います。

そうしたわけでわざわざ香港に出かけて口座開設するのは自重した方がいいと思いますが、逆に業者は何をメリットと訴えているのでしょうね?ということでネットで香港での口座開設のメリットを検索してみると、その全てがグローバル銀行の1つであるHSBC香港の口座開設を勧めるものでした。なるほど。

具体的に引用するとこういう点がメリットと指摘されています。

−−−

メリットを簡単にまとめておこう。一つが日本の金融機関だけを使っていては、選択肢にならない金融商品へ投資できる点が一つの魅力だと言われている。米ドル、香港ドル、シンガポールドル、豪ドル、加ドル、ユーロ、ポンド、スイスフラン、タイバーツといった外貨預金のラインアップが揃っている。

さらに、国内では投資にできない投資信託など、金融商品を購入することもできる。具体的には、HSBCグループ企業のHSBC Global Asset Manageを始め、13社が運用する約300のファンド、香港ドル建社債・政府債、HSBCのCD(譲渡性預金)、米国債、米ドル建債券などが購入可能。株式については、香港株と米国株を取り引きでき、取り引き手数料も日本のネット系証券と変わらない低い水準だという。

さらに、外国為替レートも日本の銀行と比べ有利だという。香港は世界的な金融センターの1つであり、そこでトップバンクのHSBCは香港ドルだけでなく米ドル、ユーロなどでも相対的に顧客優位のレートを提示しており、メリットの一つに数えられるだろう。

日本人が国内に居住していれば、日本のカントリーリスクとは無縁にはならないが、資産をそのリスクから遠ざける効果も得られると言える。HSBCは香港所在の外国銀行であるため、日本のカントリーリスクに対して、距離をとることができるのだ。仮に(可能性は限りなく低いが)日本で金融危機や預金封鎖が起きても、HSBCが直接影響を受けないといった点もメリットの一つだと言える。

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どれもピンと来ませんね・・・。上記の通り外貨預金は日本の銀行口座でできますし、HSBCグループのファンドも日本の金融機関から購入できます。米国債や香港株、米国株も同様です。為替レートが仮に有利だとしてもその差はわずかで投資リターンに大きな影響を与えるものではないと思います。

あえて言えば最後のカントリーリスクの分散という意義はあるかもしれませんが、それも日本国内で口座開設できるグローバル銀行を利用すれば十分であり、わざわざ香港に出向いてHSBCの口座を開設する必要はありません。

そもそもなぜ日本に進出したHSBCが撤退したかと言えば、そうした海外口座の開設も含めた金融サービスに需要がなかったからですね。厳しい言い方をすれば「魅力がなかった」ということです。

そうした事実を冷静に考えれば、やはり「口座開設ツアーを組んでの海外口座開設は不要」という結論で良いかと思います。

参考になさってください。

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