質問 : 2014年に500万で豪ドル終身保険を契約しました。現時点で元本割れが酷くなってきており自分ではどうしたらいいのかわかりません。このままがいいのか解約した方がいいのか相談しました。
<40代女性>
回答 : 読者の方から上記のような質問をいただきました。他に預金・貯金・資産運用に関するお悩み相談があれば月2、3回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方はこちらの投稿フォームから送信してください。もちろん個人情報は不要です。
さて本題に戻りまして、2014年に契約した豪ドル終身保険を解約した方がいいのかどうか、という質問ですね。2014年というとちょうど5年前ですが、オーストラリアドルのチェックをするとこうなっています。
当時100円近くあったオーストラリアドルですが、現在は80円前後となっており、2割ほどの為替差損が生じている状況ですね。
また契約時に7%といった手数料を取られているとするとそれも考慮する必要があります。
一方、類似商品の運用シミュレーションをチェックしてみると、5年経てばおおよそ払込金額と同額の解約返戻金が戻ってくるようですので、とりあえず今考えるべきなのは為替差損ということで良さそうです。
となると問題は現状の「円高豪ドル安」トレンドが「円安豪ドル高」トレンドに変わるかどうか、ということですね。
オーストラリアドルの長期グラフをチェックしてみるとこうなっています。
過去10年ちょっとで見てみると概ね80円から100円のレンジで推移しており、ここから「円安豪ドル高」になる可能性は十分ありそうです。
加えてグラフを見る限り、今解約すると「最も高い時期に買って、最も安い時期に売る」ということになり、それをお勧めするのも抵抗がありますし、それを受け入れるのも抵抗がありそうですね。
為替相場を読むのは本当に難しく、未来のことは誰にも分かりませんが、あと5年・10年使う予定のない余裕資金ということであれば、再び「円安豪ドル高」になるのをじっくり待つのが現実的な選択となりそうですね。
オーストラリアドルは資源国通貨ですので、世界的に景気が良くなれば上昇する傾向があるのと、貿易関係としては中国との結びつきが強いですので、米中貿易戦争が落ち着き、中国経済が上向けば一緒に上昇する可能性がありそうです。
また、そのようにじっと待っていると良いことが2つあります。
1つ目は恐らく運用利率が2%くらいあると思いますので、仮に5年待てば単純計算で10%くらいのリターンが得られ、為替相場が1豪ドル=100円まで戻らなくても90円くらいで損益がプラスマイナスゼロとなる水準まで回復するということですね。
運用期間が何年かは分かりませんが、仮にあと10年運用できれば単純計算で20%くらいのリターンが得られ、為替相場が今のまま1豪ドル=80円でも損が出ない状況になってきます。
もちろんそうした「金利差」は円高圧力となってきますので円高によって相殺されてしまう可能性もありますが、しかしすでに2割近い為替差損が出ている以上、じっと待つことで損失を取り戻すチャンスがあるのであればそれに賭けるのも良いような気がします。
2つ目は、終身保険が付保されていることから、契約者に万が一のことがあれば、それもまた為替差損を挽回するチャンスになるかもしれないということですね。恐らく保険金は当初の保険料より高く設定されているのではないかと思います。
そうしたわけで、すでにかなりの含み損を抱えており、長期投資ができるのであればその含み損を解消できるチャンスもありそうと考えると、やはり今解約するよりはじっと待つ方が現実的な選択ということになるのではないでしょうか?
参考になさってください。
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