質問 : 銀行の定期預金が今月満期を迎えました。
定期預金の利率も上がってきていますが、今後どのように推移すると予想されますか?
満期金は余剰金ではなくこれからの生活資金です。
4〜5年の使用分は小分けにして年数を変えた定期預金にするのですが、その先の分を現状で利率の良い定期3〜5年にするのか、とりあえず1年満期にして来年の変化を待つかでまよっています。
1年待つほどの変化の可能性はないでしょうか?
<60代女性>
回答 : 読者の方から上記のような質問をいただきました。他に預金・貯金・資産運用に関するお悩み相談があれば月2、3回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方はこちらの投稿フォームから送信してください。もちろん個人情報は不要です。
さて本題に戻りまして、「定期預金の利率は今後どのように推移しますか?」という質問ですね。
もし今後、更なる上昇を期待できるのであれば期間の短い定期預金でつないでいくのが良さそうですし、あまり金利が変わらなかったり、逆に金利が下がる見通しなのであれば、期間の長い定期預金で少しでも利回りを上げるのが良さそうです。
もちろん未来の金利を正確に予想することはできませんが、ただ金利は概ね金融政策に従って変動していくので、その予想は株価や為替などに比べれば遥かに容易だと言えそうです。
では2024年9月現在の日本銀行の金融政策はというと、目指す方向性は「利上げ」です。つまり金利をどんどん上げていきたいというのが日本銀行の意向だということです。
そもそも日本銀行に限らず、各国の中央銀行は「隙あらば金利を引き上げたい」というのが基本スタンスなのです。金利を上げておけば不景気になった時に金利を下げることによって景気の下支えができます。もし金利が低いまま不景気になってしまうと、中央銀行ができることはかなり限定的になってしまいますからね。
もし日本銀行の意向通り、金利が引き上げられていくのであれば今後、定期預金金利は上昇していくことになります。
果たして積極的な「利上げ」ができるかというと・・・正直「難しい」というのが記者の実感です。その理由ですが、1つ目は2024年7月末に追加利上げが決まったあと、8月に入ってから株価は大暴落しました。やはり利上げは株価には逆風なのですね。
日本銀行としてもまた暴落の引き金を引きたくないでしょうから、今後の利上げについてはかなり慎重にならざるを得なくなりました。
理由の2つ目は、アメリカやヨーロッパなどの各国が「利下げ」に向かう中で、日本だけが逆を向いて「利上げ」を行うと、その副作用はかなり大きくなるということです。上記の通り8月に株価が大暴落したのも副作用の1つですが、為替についても歴史的な円安から急激に円高に巻き戻っています。
為替相場の安定を望む中央銀行がこうした相場変動を引き起こすというのは本末転倒ですからね。
理由の3つ目は、日本のインフレ率が徐々に低下していることです。利上げは物価を下げる「インフレ対策」の面もあるわけですが、早晩、インフレ率は目標である2%を下回ってくると思います。そうなれば日本銀行が利上げするのは不可能となります。
せっかくデフレを脱却したのに、そこで過度な利上げをすれば物価が下がってデフレに逆戻りですからね!さすがにそんな無茶をするはずがありません。
そうしたわけで、日本銀行が今後もどんどん利上げするということは考えにくく、とすると1年後の定期預金の利率は「今と変わらない」か、「0.2%程度上昇している」か、といったものだと予想します。
想像以上にインフレ率が下がり、日本銀行が再び「利下げ」モードになり、金利はむしろ下がっているという可能性すらありますからね。
と言う事で質問に答えると、「1年待つほどの金利上昇期待はない」=「現状で利率の良い定期預金を利用する」ことをお勧めしたいと思います。参考になれば幸いです。
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