質問 : 先日のボーナスで初めて株式投資に挑戦しました。これからオリンピックもあるし景気も株価も順調だろうと思ったのですが、その後大きく下落し溜息ばかりついています。大損した分で何が買えたのだろうかと。そんな自分は株式投資から撤退した方がいいのでしょうか?
<20代/男性>
回答 : 読者の方から上記のような質問をいただきました。他に同様のお悩み相談があれば月1回程度の頻度で回答していこうと思いますので、もし質問したいという方はこちらの投稿フォームから送信してください。もちろん個人情報は不要です。
さて質問内容に戻りまして、初めての株式投資で大きく損をしてこのまま続けるべきかどうか悩んでいる、ということですね。
結論から言えば・・・残念ながら株式投資を続けるべきかどうか正確に判断することは困難です。未来のことは誰にもわかりませんからね。
これから株価が回復していくのであれば「続けておいてよかった」ということになりますし、これからまだまだ株価が下落するのであれば「やめておけばよかった」ということになりますが、それはあくまで結果論ですね。判断のその瞬間においてはどちらが正しいか全くわかりません。フィフティ・フィフティです。
ただ一般論から言えば、株式相場は1年に何度か大きく上昇するタイミングがあるのですが、そのタイミングを逃すとパフォーマンスが劇的に悪化すると言われています。その点では「相場に居残り続けること」の意義は小さくありません。
他方、それでも引っかかってしまうのが日本株の長期的な低迷ですね。日本株はバブル崩壊後、おおむね1万円から2万円の間を行ったり来たりしているのですが、なかなか節目の2万円を突破し、次のステージに進むことができません。つまり長期投資で放っておいてもほとんど報われないのが日本株というわけです。
とすればこと日本株については勇気を振り絞って 「相場に居残り続け」ても、あまりうれしいことはないわけで、であればとっとと撤退してしまおう、という考え方も理解できます。
実際、日本株に投資している世帯は全体の2割以下、という話も聞きます。なかなか儲からないからこそ株式投資が広がらないのですね。
なおこれがアメリカ株などであれば話は全く違います。アメリカ株は基本的には有史以来、ずっと右肩上がりで来ていますから、投資家の忍耐は中長期的には必ず報われてきた、ということです。つまりは株式投資は株式投資でもどこの国の株式市場に投資するかで、その答えはかなり変わってくる、ということです。
そうしたわけでまとめると、株式が大きく下がれば下がるほど、その反発力は増していきますから、仮に株価が大きく下がっても慌てず、反動で大きく上昇するタイミングを待つのがよさそうです。
しかしながら、こと日本株においては今のところ長期的なパフォーマンスはあまりよろしくありませんので、我慢して持ち続けてもハッピーエンドになる可能性は相対的に低そうです。その点では「そろそろ景気回復もお終いかな?」と思った時点で勇気ある撤退が有効と言えそうです。
では具体的にその景気回復の最終局面を計る上でどういった指標が有効かと言えば、最もわかりやすいのが各国の政策金利ですね。つまり中央銀行が金融引き締め=利上げに踏み切ればいよいよ景気も曲がり角、ということになります。
逆に中央銀行が金融緩和=利下げを進めるのであればこれから景気回復=株価上昇を期待できる、ということですね。
その点では今はアメリカが利上げを進める中で「撤退のタイミング」と言えるのかもしれません。
ただし!
相談者の方が20代ということは、大変失礼ながらそのボーナスを推測すると、「大損した」と言っても「マイナス●万円」 、「マイナス●十万円」といった規模ではないかと思います。
つまりその損失は、気持ちの問題はともかくとして、生涯年収からすればもう「雀の涙以下」ですね。だとするなら、損した得したという観点から株式投資を捉えるのではなく、あくまで自己投資、つまり自分自身の教養と相場観を養うための授業料と割り切って投資を続けてもよいのではないでしょうか?
もし確固たる相場観がないと、困るのは退職時や相続時などのまとまったお金が手に入るタイミングですね。十分な知識と経験がないにも関わらずそれなりの大金を手にするわけですから、言われるがままにリスクの高い資産に投資してみたり、見よう見まねで投資をしてみて大やけどする可能性もあります。
そうしたことを防ぐためには若いころに十分な失敗体験を積んでおくことが重要で、その点では思い切って踏みとどまることで、今は無理でも将来振り返って「あの時損しておいてよかった」と思える日が来るかもしれません。
結論があっちへ行ったりこっちへ行ったりして恐縮ですが、おススメは「数万円〜数十万円レベルの損失」ならそのままにしておいて、しっかり投資経験を積むこと、としておきたいと思います。
ただしあくまで総投資額が100万円くらいまでのイメージですので、それ以上の額を投資しているのであれば申し訳ないですが「無謀」と言えるかもしれません。
万が一、投資初心者にも関わらず100万円を超えるような大金を投資しているのであればぜひ段階的に縮小していくことをオススメします。
参考になさってください。
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