9月も下旬となり、期末でバタバタされている方も多いかもしれません。また9月は、3月ほどではないにせよ、人事異動の季節でもあります。この時期は何かと仕事が忙しいタイミングですね。
一方で預金などの資産運用の面では、夏のボーナスと冬のボーナスの端境に入り、やや一休みという状況です。多くの定期預金キャンペーンも終了を向かえ、やや寂しい状態になってきました。
ただ一方で、定期預金の満期はそういった収入の波に関わらず確実にやってきますし、最近ではキャンペーン定期が3ヶ月ものや6ヶ月ものなど、1年未満のものも少なくないので、そういった定期預金を利用された場合にはこの時期に満期を迎える、という事もありえますね。
実際、当サイトのトラフィックもそれほど落ちてはいないようです。そうした方は季節的に数少なくなってきた有利な金利やキャンペーンをぜひ利用して、お得な資産運用を実現していただければと思います。
さて、9月の金利市場を振り返ってみると大きなイベントが起こりました。それは、アメリカで追加金融緩和第3弾=QE3が発動されたことですね。
「金融緩和」と言われてもピンと来ない方の方が多いと思いますが、要は米ドルを大量に金融市場に供給しようとする政策です。市場に米ドルがあふれれば、金利が下がり、株価が上がり、米ドルの価値が下がる=円高米ドル安になります。
アメリカ経済にとってはどれもありがたい効能ですが、当然、こうした金利低下の余波は日本の金利にも影響しますので、日本の金利が更に下がる可能性が出てきます。
加えて、ほうっておけば円高となってしまいますので、日本でも追加金融緩和を実施する可能性が出てきます・・・と思っていたら早速昨日、日銀が追加金融緩和の実施を発表しました。これにより日本の金利は直接的に低下することになりますね。
そんなわけで、金利はさらに低下する環境が整ってきました。預金者にとっては残念な状況ですね。
ただ実際のところ、アメリカで前身のQE2やQE1が実施されていた期間に金利が下落していたかと言うと必ずしもそうではないようですね。こうした量的緩和により株価が上昇しましたので、それによって恐らく景気回復期待も上昇し、金利も上昇するだろうという思惑が働いたのかもしれません。
結局のところ、量的緩和による金利低下か、景気回復による金利上昇か、その思惑の綱引きが金利の動きを生み、過去のアメリカの量的緩和では後者が勝った、ということなのでしょうね。
そういう意味では日本でも、こうした緩和政策により景気回復への期待が高まれば金利も上昇する可能性が出てきそうですがどうでしょうか?20年近く裏切られ続けておりますので、さすがにそこまで楽観的にはなれないですかね・・・。
ということで上記市場金利のグラフを見てみると、足元ではやはり素直に金利は低下傾向にあります。
・1年もの : 0.30%前後
・5年もの : 0.36%前後
という状況です。仮に1年ものの市場金利がもう一段下落するようなことになれば、現状の1年もの定期預金の最高が0.3%程度であることを勘案すれば、来月の定期預金金利はさらに下がる可能性は十分ありますね。
今後の金利の動きには注意が必要と言えそうです。
ただ一方で、最もポピュラーな金利指標である長期金利=10年もの国債金利は意外に底堅く推移しております。
短期金利は素直に金融緩和の効果が出る一方で、長期金利はさらにその先の景気回復を織り込み始めているのかもしれませんね。
ただしわれわれ定期預金ユーザーにとって重要なのは前者の1年ものや5年ものの金利であり、それらが低下傾向にあるというのはやはり由々しき状態だと言えそうです。
ちなみに当サイトでご紹介している日本の主要な銀行の預金金利のレンジを再掲しておくとこのようになっています。
・普通預金(含む1週間定期): 0.02%~0.25%
・1年もの定期預金: 0.01%~0.30%
・3年もの定期預金: 0.01%~0.35%
・5年もの定期預金: 0.04%~0.40%
・3年もの仕組み預金: 0.2%→0.4%
・6年もの仕組み預金: 0.4%→0.6%
・10年もの仕組み預金: 0.7%→1.0%
>>>詳しくはこちら 定期預金金利比較(TOPページ)
そうですね、やはり今の市場金利がもう一段下落するようであれば、このような定期預金の金利水準を維持するのは難しくなるでしょうね・・・。
そうした来月以降の定期預金金利の利下げの可能性を十分意識しながら、定期預金の活用を進めていっていただければと思います。
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