当方のサイト上でアヤシイ投資商品の広告が表示されているのを見たのをきっかけに、これまで連続してそうしたグレー商品の危険性について素人なりに分析してきました。
そして今回取り上げるのは「Japan Act(ジャパンアクト)」ですね。ほとんどの方がこの会社をご存じないと思いますし、記者も全く知らない会社でしたが、資産運用系のサイトを見るとガッツリ、ステルスマーケティングが行われていました・・・。
・https://bigtrade.jp
常識的に考えれば「国内おすすめ資産運用ランキング」の1位に、誰も知らないこの正体不明なファンドが選ばれるはずがありませんね。
そうしたわけですでにかなりの疑わしさがあるわけですが、実際に同社のホームページをチェックしてみると会社概要はこのようになっています。
この会社の正式名称は「Japan Act 合同会社」ということのようですが、もうこの時点で「投資してはいけない」と言えます。
本来、ファンドを運用して資金を集めるためには金融庁の許認可が必要ですが、許認可を受けられない・受けたくない集団が「合同会社」という「抜け道」を利用しているのですね。
結果的に合同会社への出資は野放し状態になっており、 出資金返還のルールも整備されていないため、東京都や国民生活センターが積極的に注意喚起を行っています。
>>>怪しいファンド、投資案件の見分け方
順法意識が高い会社であれば必ず金融庁の許認可を得るはずですので、もし仮にこの「Japan Act(ジャパンアクト)」社に興味がある方も、許認可が得られるまでじっくりお待ちいただければと思います。今の段階で投資する必要など全くありません。
・・・上記の通りステルスマーケティングを活用している点を勘案すれば同社の順法意識が高いのかどうかは微妙なところですが。
というわけで既に結論が出ていますが、 話を前に進めると上記所在地はバーチャルオフィスのようですので疑わしさはさらに増します。
仮に住所を借りているだけならなぜ本当の住所を隠すのか理由が分かりませんし、オフィスを借りているならさらに理解に苦しみます。高度な情報管理が求められる資産運用会社がレンタルオフィスを利用することなどあり得ないからです。
ちなみに気になる運用成績については、ステルスマーケティングサイトでは以下のように紹介されています。
1年で約24%ということですね。
では同社サイトでどのように記載されているかと言うと残念ながら運用成績は見つかりませんでした。
公式サイトで公開されていないものが記載されてあるわけですから、それこそステルスマーケティングサイトである証左とも言えますが、それはともかく公式サイトから運用成績のヒントを探ってみると、ニュースリリースから以下2社に投資していることが分かります。
・株式会社サンエー化研
・昭和パックス株式会社
どのタイミングで投資を開始したのかは分かりませんが、同社の設立が2018年5月であり、少なくとも2018年10月には投資実績があることから、2018年の5月から10月の間のどこかであるのは間違いなさそうです。
というわけでそれぞれの株価推移をチェックしてみるとこうなっています。
・サンエー化研
思いっきり下がっていますね・・・。
・昭和パックス
こちらはタイミング次第では上がっている可能性はゼロではありませんが、損失が出ている可能性も十分あります。
つまりは投資が上手くいっているようには見えないということですね。少なくとも株価の上では両社の株主価値は全く向上していません。
同じ時期の日経平均株価はこのように推移しています。
グラフを見比べる限り、同社のポートフォリオより日経平均の方がはるかに良いパフォーマンスを上げていることが分かります。
その点でも現時点で同社に投資する意義は見つかりません。
さてもう一度会社概要に戻ると代表者は「葛生 大祐」氏となっています。どういう人物なのか調べてみると以下のような情報に行き当たりました。
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合同会社M&S 【代表】内藤昌弘 【社員】中島康善 【社員】林和正 【社員】葛生大祐 【社員】浮島群浩
JapanAct合同会社【代表】葛生大祐
M&SInternational【代表】内藤昌弘
の情報を収集しておりました。
合同会社M&S、及びグループ会社の社員、葛生大祐の名義で合同会社アトラス、JapanAct合同会社にて問い合わせホームを設定し最低出資金額を記載させるようフォーマットが準備されております。これは無免許出資受け入れと同様の行為であり、昨今M&Sがインターネット上で荒れた事を危惧しダミーカンパニーとしてJapanAct合同会社を設立したのではないのでしょうか。
事実JapanAct合同会社の住所は〒104-0061 東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル5階となっておりバーチャルオフィスの住所となっております。
JapanAct合同会社の運営実態(日本国内での運用ライセンス)はどうなっているのでしょうか。
https://www.no1-reviewer.com/review/2019/08/japanact.php ※抜粋
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何と当サイトで何度も懸念を表明してきたM&S社の社員ということですね!これが事実なのかどうか記者には判断しかねますが、仮に事実だとすれば
・ステルスマーケティングを駆使して、合同会社という抜け道を利用して集金する
という手法がM&S社とそっくりであることに納得はいきます。
いずれにしても繰り返しになりますが、合同会社に出資してはいけません。興味がある方も同社が許認可を得られるまでじっくりお待ちいただければと思います。
許認可が得られるのであれば、ですが。
なおM&S社に興味がある方はこちらのコラムを参考にしてみてください。
>>>M&Sは海外へ?合同会社への出資は絶対ダメ!
>>>運用リターン30%超!M&Sは魅力的?
読者の方からも質問を何度か頂いています。
>>>男性「M&Sに対する御社の意見に対する反論(ステマ)が行われていました。」
>>>男性「合同会社M&Sについて、本当に信用しても大丈夫なのでしょうか?」
>>>男性「合同会社M&Sについて」
>>>40代男性「M&Sについて、詐欺会社がプロキシーファイトまでやる?」
参考になさってください。
では最後に、いつもご案内しているアヤシイ運用を見分けるチェックポイントはこうなっています。
1.リスクとリターンは連動しており、たとえば毎年5%のリターンなら毎年4%といった損失が、毎年10%のリターンなら毎年9%といった損失が発生する可能性があり、そうした損失発生の可能性を隠しているのであれば詐欺の可能性がある。
2.もし本当にローリスク・ハイリターンのビジネスがあるなら銀行が1%〜2%といった低利で喜んでお金を貸してくれるはずであり、それをわざわざ手間暇かけて個人から高金利で資金を集めるというなら詐欺の可能性がある。
3.「マイナス金利」で運用難の今の時代に本当に有利な商品ならみんなが飛びつくはずであり、わざわざ広告しないといけないのは詐欺の可能性がある。
既に紹介済みですが、こちらの記事も参考になさってください。
>>><備忘録>怪しいファンド、投資案件の見分け方
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